ごみ · 片付け

ゴミが捨てられなかった祖母のお宝

祖母はどんな物でも捨てずに溜めこむ人で、同居していた母はそのことでいつもイライラしていました。祖母は物がない時代を生きてきたので、どんな物でも捨てることには抵抗があったのでしょう。ラップも一度使っただけではもったいないと、洗って干して使いまわすような人でした。

「あんたが言えば捨てるから」。娘である母とは喧嘩になるけど、孫の私の言うことならきくからというので、私は結婚して実家を離れてからも時々祖母の荷物の整理に行っていました。「ばあちゃん、これ穴開いているから捨てるよ?」と、穴の開いた靴下や下着を許可をとりながら捨てます。その時は「うん、穴開いてるからいらない」というのですが、どうやら私が帰った後に、またゴミ箱から拾って、こっそりタンスにしまっていたようです。

祖母が亡くなって実家の片付けの手伝いに行った時、捨てたはずの穴開き靴下がごろごろ出てきました。それを見た時には、怒るより「ばあちゃんの宝物だね」と母と二人で笑ってしまいました。今では笑い話ですが、一緒に暮らした母は大変だったと思うので、自分は子供に迷惑をかけないように暮らそうと思っています。